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M&A Contract Seminar Ch. 4, Vol. 4

合弁会社の組織の設計と運営

· 逆引MA書式

今回は、『事業担当者のための逆引きビジネス法務ハンドブック M&A契約書式編』の「組織運営」を解説します。

[P343] 株主総会における議決権行使

  • ABC社とXYZ社が組成した合弁会社JV社において、剰余金の配当を決議することとなった。ABC社は、当該議案に賛成する予定である。
    • ABC社において賛成の意思表示をするのは誰か。
    • ABC社において賛成の意思決定を行うためには、ABC社の取締役会が必要か。

[P347] 責任限定契約

会社法第425条(責任の一部免除)

1 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。

当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額

イ 代表取締役又は代表執行役

ロ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役

ハ 取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人

二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額

2 (省略)

会社法427条(責任限定契約)

1 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人(以下この条及び第九百十一条第三項第二十五号において「非業務執行取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該非業務執行取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。

2 (省略)

[P366] 合弁事業からの撤退-ドコモ・タタによる合弁事案-

  • 当事者
    • ドコモは、日本の携帯電話事業者であり、国内市場シェアは第1位であった。
      • 同社は、アジアでは、中国、フィリピン、バングラデッシュ、台湾等への地域へ進出していたが、世界第二位の人口を有するインドへの事業進出を目指していた。
    • タタ・グループは、ビルラ、リライアンスと並ぶ、インド3大財閥の一つであり、そのグループ会社の1社である「タタ・テレサービシズ リミテッド」(以下「TTSL」という。)はインド国内における移動体通信事業を営んでいた。
      • インドの携帯電話販売は、“プリペイド方式”が中心であり、SIMやオペレータに対する消費者のロイヤリティが低く、“価格”が最も重要な商品選択の指標であったため、タタ・グループは、資金力のあるパートナーを探していた。
  • 合弁事業の概要
    • ドコモは、インドのモバイル事業の将来性を見込み、2009年、タタ・グループと合弁会社「タタドコモ」(旧TTSL)を設立し、約2,500億円を投資し、同社株式の26.5%を取得した。
    • 契約者数は、投資前の2,930万件から2014年3月には9,800万件と3倍以上となったが、一方で、インド国内のモバイル競争は激化し、ネットワーク構築費用もかさんだことから、合弁会社の業績は決して芳しくなかった(2013年度は850億円の最終赤字、2014年3月末は960億円の債務超過)。
  • ドコモによる撤退
    • ドコモとタタの株主間協定の中には、「タタドコモが2014年3月末までに所定の業績目標に到達しない場合、取得価格の50%、又は、公正価格のいずれか高い価格(以下「約定価格」)により、①ドコモの株式を譲り受ける第三者をタタが探してくるか、又は、②タタ自身が希望価格で買い取り、当該価格との差額をドコモに補償する」という規定が設けられていた。
    • ドコモによる上記プット・オプションの行使に際して、インド国内における株式譲渡価額の規制(=インド非居住者が居住者に対して株式を譲渡する場合、公正価格以下でなければならないとの規制)に抵触しないかどうかという点が問題となったが、最終的には、2017年4月28日、デリー高等裁判所がドコモ側のプット・オプションの行使を認める判断を行った。
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