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M&A Contract Seminar Ch. 4, Vol. 1

合弁契約の概要

· 逆引MA書式

今回は、『事業担当者のための逆引きビジネス法務ハンドブック M&A契約書式編』の「合弁契約」を解説します。

[P309] 合弁と直接投資の比較

  • 前提
    • XYZ社は、ABC社(企業価値500百万円)と、「合弁」又は「直接投資」のいずれかのスキームにより、新規事業を始めることを検討している。なお、XYZ社の投資予算は100百万円である。
    • XYZ社は、製造業を営む会社であり、新たに開発・製造した製品αの販売拡大を目指している。
    • ABC社は、多角的な事業展開を行っているが、製品αの潜在的顧客を有している。
  • 結論:「製品αの販売」というXYZ社にとっての目的事業に対する支配を獲得しやすいのは、「合弁」スキームである。
    • 視点①:マジョリティの取得
      • 直接投資スキームでは、XYZ社はABC社の16.7%(=100百万円÷600百万円)しか支配することができない。
      • これに対し、目的事業を行う合弁会社を設立することとし、XYZ社の投資金額100百万円、ABC社の投資金額を100百万円未満とすれば、XYZ社は目的事業に対するマジョリティを取得することが可能である。
    • 視点②:投資資金の使途
      • 直接投資スキームでは、XYZ社が投資した100百万円が製品αの販売という目的事業のために使用されるかどうかわからない(ABC社はエビの養殖のために100百万円を使用するかもしれない)。
      • これに対し、目的事業を行う合弁会社を設立し、当該会社に100百万円を投資することとすれば、投資した資金は目的事業のためだけに用いられることになる。

[P318] 設立費用

  • 日本(実効税率30%)の会社Xは、A国(実効税率20%)に子会社Yを設立した。そのための費用(例:設立手続に要する費用、市場調査費用、弁護士等の専門家を起用するための費用、Y社の事務所の家賃、Y社スタッフの採用活動の費用等)として5,000万円かかったので、全額X社の費用とした。
  • しかし、上記のうち、本来Y社が負担すべきと考えられるもの(例:Y社の事務所の家賃、Y社スタッフの採用活動の費用)については、国外関連者に対する寄附金として、全額損金不算入となる可能性がある。これらについて一時的にX社側で支出するのであれば、「立替金」(後にY社から精算を受ける)や「貸付け」(後にY社から返済を受ける)として処理を行う必要がある。
    • 但し、Y社を第三者から買収する場合(株式取得の場合)の買収監査費用(DD費用)の取扱いについては、当該買収監査が役員会等での買収の意思決定後に行われるものである場合、取得するY社株式の取得価額に算入しなければならない(法人税法施行令119条1項1号、平成22年2月8日付国税不服審判所福岡支部裁決参照)。
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