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クロージング/ガン・ジャンピング

「事業担当者のための逆引きビジネス法務ハンドブック」解説セミナー

· 逆引MA書式

今回は、『事業担当者のための逆引きビジネス法務ハンドブック M&A契約書式編』の「クロージング」(P87)及び「ガン・ジャンピング」(P91)を解説します。なお、ガン・ジャンピングについては、2018年5月に経産省から公表された「海外ガン・ジャンピング規制についての実態と対策調査報告書」のエッセンスも解説します。

【板書】報告書P1

  • ガン・ジャンピングの種類
    • ガン・ジャンピング=フライング
    • 競争法上のガン・ジャンピング:今回のテーマ
      • ケース①:事前届出が必要なのに届出しなかった(報告書P1、21、67)
      • ケース②:待機期間満了前にクロージングした(報告書P1、29、67)
      • ケース③:クロージング前に価格情報を交換した(報告書P1、29、58)
    • 金商法上のガン・ジャンピング:上場会社買収法制で解説
  • 競争法上のガン・ジャンピング
    • 手続法:ケース②(ケース①も)
      • 欧米:クロージングを実質的に判断→リスク大(報告書P8) 
      • 日本:クロージングを形式的に判断→リスク小(報告書P8)
    • 実体法:ケース③(カルテルの問題) 
      • 欧米:カルテルを形式的に判断→リスク大(報告書P9) 
      • 日本:カルテルを実質的に判断→リスク小(報告書P9) 
  • ガン・ジャンピングの対応方法
    • 対応①:機微情報の選別(報告書P78)
    • 対応②:クリーンチームの組成(報告書P78)
    • 対応③:情報の加工/クレンジング(報告書P79)

【板書】報告書P10

  • per se illegal(当然違法)

【板書】報告書P35

  1. 東芝メディカルシステムズ(以下「TMSC」)は、東芝(以下「東芝」)の完全子会社であった。
    • 取引の目的は、①キヤノンが、東芝から、東芝が保有するTMSC株式を取得すること、②東芝が2016年3月期決算で当該株式譲渡に係る売却益を認識すること(=譲渡対価の決済を可及的速やかに行うこと)、の2点。 
  2. 東芝及びキヤノンから“独立した立場”の三名の個人が、資本金3万円のSPCであるMSホールディング(以下「SPC」)を設立した。 
    • SPCが(株式の実質的な譲受人となる)キヤノンから独立しているといえるかどうかがポイントとなる。 
  3. TMSCは、東芝が保有する発行済普通株式(以下「普通株」)を全てC種類株式(以下「C株」)に変更し、さらに、①A種類株式(議決権あり)(以下「A株」)、②B種類株式(議決権なし)(以下「B株」)、及び③新株予約権(以下「SO」)を発行した。 
  4. 東芝はTMSCにC株を交付した(=TMSCは東芝からC株を取得した)。 
  5. 上記と引き換えに、TMSCは東芝にA株、B株、及びSOを交付した。 
  6. 東芝はSPCに対しA株(議決権あり)を譲渡し、SPCは東芝にその対価(9万8,600円)を支払った。 
    • SPCには売上が存在しないため、公取委の事前届出は不要となる。また、SPCはキヤノンから独立しているため、キヤノンがA株(議決権付株式)を取得したことにもならないため、公取委の事前届出は不要となる。 
  7. 東芝はキヤノンに対しB株(議決権なし)及びSOを譲渡し、キヤノンは東芝にその対価(6,665億円)を支払った。 
    • この時点で東芝とキヤノンとの間で本件取引に関する実質的な決済(約6,600億円)が行われることになるが(=東芝が売却益を認識できることになるが)、キヤノンが取得するのは無議決権株式であるため、公取委の事前届出は不要となる。 
  8. 当局のクリアランスが取得できることを条件に、TMSCはA株について自己株式取得を行う。 
    • これにより、SPCは、TMSCとの資本関係からEXITすることになる。 
  9. 当局のクリアランスが取得できることを条件に、TMSCはB株について自己株式取得を行い、キヤノンはSOを行使する。 
    • これによりTMSCはキヤノンの完全子会社となる。
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